洗顔したあと、「肌がキュッとする」「頬や口まわりが引っぱられる」と感じることはありませんか?

洗顔後につっぱる大きな原因は、メイクや汚れと一緒に、肌に必要な皮脂や角層の脂質まで落としすぎてしまうことです。

皮脂や角層脂質は、肌の水分を守るバリアの一部を担っています。洗顔で必要以上に取り除かれると、肌のうるおいを保ちにくくなり、洗顔後の「キュッとする」「引っぱられる」といったつっぱり感につながります。

では、なぜ必要以上に落としてしまうのでしょうか。

この記事では、皮脂や角層脂質を落としすぎる5つの原因から、クレンジングと洗顔の違い・使い分け、オイルクレンジングの乳化と石けんのけん化、洗浄力の違いまで解説します。

大切なのは、「落としすぎないこと」と「落とすべきものをきちんと落とすこと」の両立です。

洗顔後につっぱる主な原因は「皮脂や角層脂質の落としすぎ」

肌の一番外側には「角層」があります。

角層は、外部からの刺激を防ぎながら、肌内部の水分が必要以上に逃げないようにするバリアとして働いています。

角層のうるおいにはNMF(天然保湿因子)やセラミドなどの細胞間脂質が関係し、その外側では皮脂などが肌表面を覆っています。

洗顔料やクレンジングは、メイク、余分な皮脂、汗、ほこりなどを落とすために必要です。

しかし、洗浄成分は「汚れだけ」を選んで落とせるわけではありません。洗浄成分の種類や濃度、pH、使用量、肌に触れている時間などによっては、必要な皮脂や角層脂質にも作用します。

洗顔で皮脂や角層脂質を落としすぎるとつっぱりを感じやすくなる仕組み

そのため、洗顔後につっぱるときは「保湿が足りない」と考えるだけではなく、その前の洗顔で落としすぎていないかを見ることが重要です。

皮脂や角層脂質を落としすぎる5つの原因

1. 洗浄力や使い方が今の肌に合っていない

洗浄力が高い製品を使えば、汚れだけでなく皮脂や角層脂質も取り除きやすくなります。

また、同じ製品でも使用量が多すぎたり、長時間なじませたりすれば、肌への洗浄作用は大きくなります。

「よく落ちるから良い」と洗浄力だけで選ばず、その日のメイクや肌状態に合わせて、クレンジングと洗顔を使い分けることが重要です。

2. 熱いお湯で洗っている

熱いお湯は皮脂を落としやすく、洗顔後の乾燥やつっぱりにつながることがあります。

洗顔では熱さを感じるお湯を避け、ぬるま湯を使いましょう。

3. こすりすぎている

メイクや毛穴汚れを落とそうとして、指に力を入れてこすると、肌への負担が大きくなります。

洗顔時は強くこすらず、洗顔後もタオルを軽く押し当てるようにして水分を取りましょう。

4. 洗う時間や回数が多すぎる

長時間洗ったり、1日に何度も洗顔したりすると、必要な皮脂まで繰り返し取り除くことになります。

洗顔は長く行うほど良いものではありません。製品で案内されている使用量や使用方法を基本にしましょう。

5. クレンジング・洗顔・角質ケアを重ねすぎている

クレンジングのあとに洗顔し、さらにスクラブやピーリング、拭き取りケアなどを重ねると、1回のスキンケアで「落とす工程」が多くなります。

それぞれ単独では使用できる製品でも、重ねることで必要以上に皮脂や角層脂質を取り除いてしまう場合があります。

皮脂や角層脂質を落としすぎて洗顔後につっぱる5つの原因

一つの洗顔料だけではなく、毎日の「落とすケア」全体を見ることが、つっぱりを見直すポイントです。

皮脂が多いのに洗顔後につっぱるのはなぜ?

「鼻や額はテカるのに、頬や口まわりは洗顔後につっぱる」ということもあります。

これは、肌表面の皮脂量と、角層が保持している水分量は同じものではないためです。

額や鼻などのTゾーンでは皮脂が多くても、頬や口まわりでは水分が不足していることがあります。

Tゾーンの皮脂量と頬や口まわりのうるおい状態の違い

そのため、「テカるからもっと洗う」と顔全体を強く洗うと、乾燥しやすい部分の皮脂まで落としすぎてしまうことがあります。

「テカるから脂性肌」「つっぱるから乾燥肌」と一つの感覚だけで判断せず、部位ごとの状態を見ることが大切です。

NMFや角層のうるおいについて詳しく知りたい方は、「NMFとは?天然保湿因子の働きと『内側の保湿』・インナードライとの関係」もあわせてご覧ください。

クレンジングと洗顔の違い|何を落とすかで使い分ける

洗顔後のつっぱりを防ぐために、できるだけ洗浄力の弱いものを使えばよい、というわけではありません。

大切なのは、その日に何を落とす必要があるのかに合わせて、クレンジングと洗顔を使い分けることです。

ファンデーションやウォータープルーフの日焼け止めなどは、一般的な洗顔料だけでは十分に落としにくい場合があります。

実際に、ウォータープルーフの日焼け止めを対象とした研究では、一般的な洗顔料よりクレンジングオイルを使用した方が、洗浄後の残留量が少なかったことが報告されています。

反対に、軽いメイクや洗顔料で落とせる日焼け止めの日まで、毎回クレンジングと洗顔を重ねれば、必要な皮脂や角層脂質まで落としすぎる可能性があります。

「できるだけ弱く洗う」のではなく、「その日に必要なものを適切に落とす」ことが重要です。

オイルクレンジングは油性のメイクを落とすのが得意

オイルクレンジングは、ファンデーション、ウォータープルーフの日焼け止め、皮脂などの油性汚れをオイルになじませて落とすことを得意としています。

しっかりメイクの日には、それをきちんと落とせるクレンジングを使うことで、何度も洗ったり、強くこすったりすることを避けやすくなります。

洗顔料は汗・ほこり・余分な皮脂などを洗い流す

一般的な洗顔料は、汗、ほこり、余分な皮脂など、肌表面の汚れを洗い流すことを主な目的としています。

洗顔料で落とせる日焼け止めや軽いメイクの日、ノーメイクの日などは、必要以上にクレンジングを追加しないという考え方も大切です。

その日のメイクに合わせて使い分ける

ウォータープルーフやしっかりメイクの日は、それを落とせるクレンジングを使う。

軽いメイクや洗顔料で落とせる日焼け止めの日は、必要以上に洗浄工程を増やさない。

ノーメイクの日や朝は、その日の皮脂量や肌状態に合わせて洗顔方法を選ぶ。

クレンジングと洗顔のどちらが優れているかではなく、「何を落とすのか」で選ぶことが、落としすぎを防ぐポイントです。

オイルクレンジングの「乳化」と石けんの「けん化」の違い

では、オイルクレンジングと石けんは、どのような仕組みで油性の汚れを落としているのでしょうか。

ここで知っておきたいのが、「乳化」と「けん化」の違いです。

オイルクレンジングは界面活性剤によって「乳化」する

一般的なオイルクレンジングでは、まずメイクなどの油性汚れをオイルになじませます。

そのままでは油と水は混ざりにくいため、界面活性剤の働きによって油を水中へ細かく分散させ、洗い流しやすい状態にします。

これが「乳化」です。

界面活性剤は油性のメイクを落とすために必要な成分ですが、種類や濃度、製品全体の処方、使用時間などによっては、皮脂や角層脂質にも作用します。

石けんは油脂を「けん化」して作る

けん化(鹸化)とは、油脂とアルカリを反応させて石けんを作る化学反応です。

そして、けん化によって作られた石けん自体も界面活性剤の一種です。石けんの界面活性作用によって、皮脂や油性汚れを水と一緒に洗い流します。

つまり、「オイルクレンジングには界面活性剤があるが、石けんにはない」という違いではありません。

乳化は「油と水をなじませて洗い流しやすくする仕組み」、けん化は「油脂から石けんを作る反応」と考えると分かりやすいでしょう。

オイルクレンジングの乳化と石けんのけん化の違い

石けんとオイルクレンジング、どちらの洗浄力が強い?

「石けんは自然なものだから洗浄力が弱く、オイルクレンジングや合成洗浄料の方が強い」と思われることがあります。

しかし、石けんは決して洗浄力の弱い洗浄料ではありません。

特定条件でアルカリ性の石けんと合成洗浄料を比較した研究では、石けんを使用した場合に皮膚表面の脂質量がより大きく減少した例も報告されています。

一方で、これは「すべての石けんが、すべての合成洗浄料より洗浄力が強い」という意味ではありません。

洗浄力は、界面活性剤の種類や濃度、pH、製品全体の処方、そして何を落とすのかによって変わります。

例えば、ウォータープルーフなどの油性・耐水性メイクを落とすことはオイルクレンジングが得意です。

つまり、単純に「どちらが強いか」ではなく、「何を落とすための洗浄力なのか」で考えることが重要です。

オイルクレンジングで「落としすぎ」が起こるのはなぜ?

一般的なオイルクレンジングには、油性のメイクになじんだオイルを水で洗い流しやすくするため、乳化剤として界面活性剤が配合されています。

クレンジング剤やメイクを肌に残さないためには、製品で案内されている方法に従ってきちんとすすぐことが大切です。

一方で、「しっかり落とさなければ」と必要以上に長くすすいだり、そのあとに洗浄力の高い洗顔料を重ねたりすると、洗浄工程全体として必要な皮脂や角層脂質まで取り除きすぎることがあります。

つまり、問題は「オイルクレンジングを使うこと」そのものではありません。

落ちにくいメイクを落とすために必要な洗浄力は確保しながら、必要以上に洗浄を重ねないことが大切です。

洗顔で大切なのは「落としすぎない、でも残さない」こと

ここまでの内容を整理すると、洗顔で大切なのは非常にシンプルです。

必要な皮脂や角層脂質まで落としすぎない。でも、メイクや日焼け止めなど、落とすべきものはきちんと落とす。

しっかりメイクの日には、それを無理なく落とせるクレンジングを使う。

軽いメイクや洗顔料で落とせる日焼け止めの日には、必要以上に洗浄工程を増やさない。

このように、その日のメイクと肌状態に合わせて洗い方を変えることが、洗顔後のつっぱりを防ぐうえでも重要です。

ovacoが考える「落とすもの」と「洗ったあと」

ovacoでも、洗顔を単に「肌からできるだけ多くのものを取り去ること」とは考えていません。

大切にしているのは、落とす必要があるものはきちんと落としながら、洗ったあとの肌まで含めて考えることです。

ovacoが考える落とすものと洗ったあとの肌を考えた洗顔

オバコ オイルソープでは、クレンジングとして使用する工程と、その後の泡ケアを分けて考える使い方が提案されています。

ここで重要なのは、「石けんだから洗浄力が弱い」ということではありません。

石けんにも皮脂や油性汚れを洗い流すための洗浄作用があります。そのうえで、何を落とすのか、どのように洗うのか、洗ったあとをどう考えるのかまで含めて設計するというのがovacoの洗顔に対する考え方です。

オバコ オイルソープの具体的な仕組みや使い方については、関連記事で詳しく紹介しています。

「オバコ オイルソープ」の仕組みと使い方を詳しく見る →

洗顔後につっぱるときは保湿も忘れずに

落としすぎを見直すことに加えて、洗顔後の保湿も大切です。

洗顔後に長時間何もつけずにいると、肌表面の水分は徐々に蒸発していきます。

乾燥やつっぱりが気になる場合は、肌状態に合わせて化粧水、乳液、クリームなどで保湿しましょう。

ただし、「つっぱるから保湿する」だけではなく、その前の洗顔で落としすぎていないかまで一緒に見直すことが重要です。

洗顔後のつっぱりについてよくある質問

つっぱるほど、しっかり洗えているということですか?

いいえ。つっぱりが強いほど適切に洗えているとは限りません。

必要な皮脂や角層脂質まで落としすぎている可能性もあるため、「キュッとする感覚」を洗浄力の目安にしないようにしましょう。

オイルクレンジングは洗浄力が強すぎますか?

すべてのオイルクレンジングが強すぎるわけではありません。

オイルクレンジングは、ウォータープルーフの日焼け止めやしっかりメイクなど、油性・耐水性の汚れを落とすことを得意としています。

ただし、クレンジングを長時間使ったり、すすぎやダブル洗顔を必要以上に重ねたりすると、皮脂や角層脂質まで落としすぎることがあります。

オイルクレンジングが悪いのではなく、その日に落とすメイクに合った製品を適切に使うことが重要です。

オイルクレンジングでつっぱりやすくなるのはなぜですか?

一般的なオイルクレンジングには、油性のメイクになじんだオイルを水で洗い流すため、乳化剤として界面活性剤が使われています。

界面活性剤は洗浄に必要な成分ですが、種類や濃度、処方、使用時間などによっては、汚れだけでなく皮脂や角層脂質にも作用します。

さらに、クレンジング後に洗顔料を重ねたり、必要以上に長く洗ったりすると、洗浄工程全体として皮脂や角層脂質を取り除く量が増える場合があります。

そのため、メイクをきちんと落とせる方法を選びながら、必要以上に洗浄を重ねないことが大切です。

石けんの方が肌にやさしいですか?

「石けんだから肌にやさしい」と一律には言えません。

石けんにも十分な洗浄力があります。肌への作用は、洗浄成分の種類、濃度、pH、処方、使用方法などによって変わります。

クレンジングと洗顔は必ず両方必要ですか?

必ずしも必要ではありません。

使用しているメイクや日焼け止め、クレンジング製品によって異なります。メーカーの使用方法を確認し、必要以上に洗浄工程を増やさないようにしましょう。

どのような場合は皮膚科へ相談した方がいいですか?

強い赤み、かゆみ、ヒリつき、痛み、湿疹、ひび割れなどがある場合や、洗顔方法を見直しても症状が続く場合は、皮膚科専門医へ相談してください。

さいごに

洗顔後につっぱる大きな原因は、メイクや汚れと一緒に、肌に必要な皮脂や角層脂質まで落としすぎてしまうことです。

だからといって、洗浄力をただ弱くすればよいわけではありません。

落ちにくいメイクには、それをきちんと落とせるクレンジングを使う。軽いメイクの日には、必要以上に洗浄を重ねない。

「落としすぎない。でも、落とすべきものは残さない。」

このバランスを考えて、その日のメイクと肌状態に合った洗顔方法を選ぶことが大切です。

「オバコ オイルソープ」の仕組みと使い方を詳しく読む
肌のうるおいに関わる「NMFとは?」も読む

参考文献・参考情報

本記事は一般的な化粧品・スキンケア情報を提供するもので、医療診断や治療を目的とするものではありません。強い赤み、かゆみ、ヒリつき、痛み、湿疹などがある場合や症状が続く場合は、皮膚科専門医へ相談してください。