洗顔したあと、「肌がキュッとする」「頬や口まわりが引っぱられる」と感じることはありませんか?

洗顔後のつっぱりには、洗浄によって角層の水分や脂質の状態が変化し、洗顔後に角層が収縮することなどが関係しています。

特に、メイクや汚れと一緒に必要な皮脂や角層脂質まで落としすぎると、肌のうるおいを保ちにくくなり、つっぱりや乾燥を感じやすくなります。

ただし、「つっぱるなら洗浄力を弱くすればよい」というわけでもありません。

落ちにくいメイクや日焼け止めが肌に残ることを避けるためには、その日に落とすものに合った洗浄方法を選ぶ必要があります。

この記事では、洗顔後につっぱる仕組みと5つの原因、皮脂が多いのにつっぱる理由、クレンジングと洗顔の使い分け、オイルクレンジングと石けんの違いまで分かりやすく解説します。

大切なのは、「落としすぎないこと」と「落とすべきものをきちんと落とすこと」の両立です。

洗顔後につっぱるのはなぜ?

肌の一番外側には「角層」があります。

角層は、外部からの刺激を防ぎながら、肌内部の水分が必要以上に逃げないようにするバリアの一部を担っています。

角層のうるおいにはNMF(天然保湿因子)やセラミドなどの細胞間脂質が関係し、その外側では皮脂などが肌表面を覆っています。

洗顔料やクレンジングは、メイク、余分な皮脂、汗、ほこりなどを落とすために必要です。

一方、洗浄成分は「汚れだけ」を選んで落とせるわけではありません。洗浄成分の種類や濃度、pH、使用量、肌に触れている時間などによっては、必要な皮脂や角層脂質にも作用します。

洗顔で皮脂や角層脂質を落としすぎるとつっぱりを感じやすくなる仕組み

「つっぱる感覚」には角層の収縮も関係する

洗顔後のつっぱりは、単に「肌の油分が減った」というだけでなく、洗浄後に起こる角層の力学的な変化とも関係しています。

2023年に発表された研究では、洗浄や保湿などによって角層の状態が変化すると、角層に収縮や膨張などの力学的変化が生じ、それが皮膚内部の感覚受容に影響する可能性が示されています。

洗浄による水分の減少や脂質の除去によって角層が収縮すると、皮膚内部に力学的な変化が伝わり、「引っぱられる」「キュッとする」といったつっぱり感として知覚されると考えられています。

つまり、洗顔後につっぱるときは「あとから保湿すればよい」と考えるだけでなく、その前の洗顔で必要以上に落としていないかも見直すことが重要です。

洗顔後につっぱる5つの原因

1. 洗浄力や使い方が今の肌に合っていない

洗浄力が高い製品を使用すると、汚れだけでなく皮脂や角層脂質も取り除きやすくなります。

また、同じ製品でも使用量が多すぎたり、長時間肌になじませたりすれば、洗浄による影響は大きくなります。

「よく落ちるから良い」と洗浄力だけで選ばず、その日のメイクや肌状態に合わせてクレンジングと洗顔を使い分けることが大切です。

2. 熱いお湯で洗っている

熱いお湯は皮脂を落としやすく、洗顔後の乾燥やつっぱりにつながることがあります。

洗顔では熱さを感じるお湯を避け、ぬるま湯を使いましょう。

3. 強くこすっている

メイクや毛穴汚れを落とそうとして指に力を入れてこすると、肌への負担が大きくなります。

洗顔時は強くこすらず、洗顔後もタオルでゴシゴシ拭かず、軽く押し当てるようにして水分を取りましょう。

4. 洗う時間や回数が多すぎる

長時間洗ったり、必要以上に何度も洗顔したりすると、皮脂や角層脂質を繰り返し取り除くことになります。

洗顔は長く行うほど良いものではありません。製品で案内されている使用量や使用方法を基本にしましょう。

5. クレンジング・洗顔・角質ケアを重ねすぎている

クレンジングのあとに洗顔し、さらにスクラブやピーリング、拭き取りケアなどを重ねると、1回のスキンケアで「落とす工程」が多くなります。

それぞれ単独では使用できる製品でも、組み合わせることで必要以上に皮脂や角層脂質を取り除いてしまう場合があります。

皮脂や角層脂質を落としすぎて洗顔後につっぱる5つの原因

一つの洗顔料だけではなく、クレンジングや角質ケアも含めた毎日の「落とすケア」全体を見ることが、つっぱりを見直すポイントです。

皮脂が多いのに洗顔後につっぱるのはなぜ?

「鼻や額はテカるのに、頬や口まわりは洗顔後につっぱる」ということもあります。

これは、肌表面の皮脂量と、角層が保持している水分量は同じものではないためです。

額や鼻などのTゾーンでは皮脂が多くても、頬や口まわりでは乾燥を感じることがあります。

Tゾーンの皮脂量と頬や口まわりのうるおい状態の違い

そのため、「テカるからもっと洗う」と顔全体を強く洗うと、乾燥しやすい部分の皮脂や角層脂質まで落としすぎてしまうことがあります。

「テカるから脂性肌」「つっぱるから乾燥肌」と一つの感覚だけで判断せず、部位ごとの状態を見ることが大切です。

NMFや角層のうるおいについて詳しく知りたい方は、「NMFとは?天然保湿因子の働きと『内側の保湿』・インナードライとの関係」もあわせてご覧ください。

クレンジングと洗顔の違い|「何を落とすか」で使い分ける

洗顔後のつっぱりを避けるために、できるだけ洗浄力の弱いものを使えばよい、というわけではありません。

大切なのは、その日に何を落とす必要があるのかに合わせて、クレンジングと洗顔を使い分けることです。

ファンデーションやウォータープルーフの日焼け止めなどは、一般的な洗顔料だけでは十分に落としにくい場合があります。

ウォータープルーフの日焼け止めを対象とした研究では、一般的な洗顔料よりもクレンジングオイルを使用した方が、洗浄後の残留量が少なかったことが報告されています。

反対に、洗顔料で落とせる日焼け止めや軽いメイクの日まで毎回クレンジングと洗顔を重ねれば、必要以上に洗浄工程を増やすことになります。

「できるだけ弱く洗う」のではなく、「その日に落とす必要があるものを、必要な方法で落とす」ことが重要です。

しっかりメイク・ウォータープルーフの日

ファンデーションやウォータープルーフの日焼け止めなど、油性・耐水性の高いものを使用した日は、それらを落とせるクレンジングを選びます。

適切なクレンジングを使うことで、何度も洗ったり、落ちないものを強くこすったりすることを避けやすくなります。

軽いメイク・洗顔料で落とせる日焼け止めの日

製品側で「洗顔料で落とせる」と案内されている日焼け止めや軽いメイクの場合は、必要以上にクレンジングを追加しないという選択肢もあります。

ノーメイクの日・朝

ノーメイクの日や朝は、その日の皮脂量や肌状態、使用している洗顔料に合わせて洗い方を選びます。

クレンジングと洗顔のどちらが優れているかではなく、「何を落とすのか」に合わせて選ぶことが、落としすぎと洗い残しの両方を防ぐ基本です。

オイルクレンジングと石けんは何が違う?

オイルクレンジングと石けんは、どちらも汚れを落とすために使われますが、製品の仕組みや得意とする汚れは異なります。

オイルクレンジングは油性のメイクになじみ、「乳化」して洗い流す

一般的なオイルクレンジングでは、まずファンデーションや皮脂などの油性汚れをオイルになじませます。

そのままでは油と水は混ざりにくいため、界面活性剤の働きによって油を水中へ細かく分散させ、洗い流しやすい状態にします。

これが「乳化」です。

油性・耐水性の高いメイクを落としやすい一方、使用時間が長すぎたり、クレンジング後に必要以上の洗浄を重ねたりすると、洗浄工程全体として皮脂や角層脂質を取り除きすぎることがあります。

石けんは油脂を「けん化」して作られる

けん化(鹸化)とは、油脂とアルカリを反応させて石けんを作る化学反応です。

けん化によって作られた石けん自体も界面活性剤の一種で、その界面活性作用によって皮脂や汚れを水と一緒に洗い流します。

つまり、「オイルクレンジングには界面活性剤があるが、石けんにはない」という違いではありません。

乳化は「油と水をなじませて洗い流しやすくする仕組み」、けん化は「油脂から石けんを作る反応」と考えると分かりやすいでしょう。

オイルクレンジングの乳化と石けんのけん化の違い

石けんとオイルクレンジング、どちらの洗浄力が強い?

「石けんは自然なものだから洗浄力が弱く、オイルクレンジングの方が強い」と単純に分けることはできません。

石けんにも十分な洗浄作用があります。特定条件でアルカリ性の石けんと合成洗浄料を比較した研究では、石けん使用後に皮膚表面の脂質量がより大きく減少した例も報告されています。

ただし、これは「すべての石けんがすべてのオイルクレンジングや合成洗浄料より強い」という意味ではありません。

洗浄による影響は、洗浄成分の種類や濃度、pH、製品全体の処方、使用方法、そして何を落とすのかによって変わります。

例えば、ウォータープルーフなどの油性・耐水性の高いメイクを落とすことは、一般的にオイルクレンジングが得意です。

そのため、「どちらが強いか」という一つの尺度で比べるより、その製品が何を落とすために設計されているのかを見ることが大切です。

洗顔後につっぱるときに見直したいこと

洗顔後につっぱりを感じたら、洗顔料だけではなく、毎日の「落とす工程」全体を確認してみましょう。

  • 洗浄力が今のメイクや肌状態に合っているか
  • クレンジングと洗顔を必要以上に重ねていないか
  • 熱いお湯を使っていないか
  • 長時間洗ったり、強くこすったりしていないか
  • スクラブやピーリングなどを同時に重ねすぎていないか

つっぱるほど「しっかり洗えた」ということではありません。

洗顔後のキュッとした感覚を、洗浄力や清潔さの目安にしないことも大切です。

洗顔後は肌状態に合わせて保湿する

落としすぎを見直すことに加えて、洗顔後の保湿も大切です。

乾燥やつっぱりが気になる場合は、肌状態や使用しているスキンケアに合わせて、化粧水、美容液、乳液、クリームなどを取り入れましょう。

ただし、「つっぱるから保湿する」だけではなく、その前の洗顔で落としすぎていないかも一緒に見直すことがポイントです。

強い赤み、かゆみ、ヒリつき、痛み、湿疹、ひび割れなどがある場合や、洗顔方法を見直しても症状が続く場合は、皮膚科専門医へ相談してください。

ovacoが考える「落とすもの」と「洗ったあと」

ovacoでも、洗顔を単に「肌からできるだけ多くのものを取り去ること」とは考えていません。

大切にしているのは、落とす必要があるものはきちんと落としながら、洗ったあとの肌まで含めて考えることです。

ovacoが考える落とすものと洗ったあとの肌を考えた洗顔

オバコ オイルソープでは、クレンジングとして使用する工程と、その後の泡ケアを分けて考える使い方が提案されています。

ここで重要なのは、「石けんだから洗浄力が弱い」ということではありません。

石けんにも皮脂や汚れを洗い流すための洗浄作用があります。そのうえで、何を落とすのか、どのように洗うのか、洗ったあとをどう考えるのかまで含めて設計するというのがovacoの洗顔に対する考え方です。

オバコ オイルソープの仕組みや具体的な使い方については、関連記事で詳しく紹介しています。

「オバコ オイルソープ」の仕組みと使い方を詳しく見る →

まとめ|洗顔後のつっぱりは「落とすケア」全体を見直そう

洗顔後のつっぱりには、洗浄によって角層の水分や脂質の状態が変化し、角層が収縮することなどが関係しています。

特に、必要な皮脂や角層脂質まで落としすぎると、洗顔後の乾燥やつっぱりを感じやすくなります。

ただし、洗浄力を単純に弱くすればよいわけではありません。

落ちにくいメイクやウォータープルーフの日焼け止めを使った日は、それをきちんと落とせるクレンジングを使う。軽いメイクの日には、必要以上に洗浄工程を増やさない。

「落としすぎない。でも、落とすべきものは残さない。」

その日のメイクと肌状態に合わせて洗い方を選ぶことが、洗顔後のつっぱりを見直す基本です。

「オバコ オイルソープ」の仕組みと使い方を詳しく読む
肌のうるおいに関わる「NMFとは?」も読む

参考文献・参考情報

本記事は一般的な化粧品・スキンケア情報を提供するもので、医療診断や治療を目的とするものではありません。強い赤み、かゆみ、ヒリつき、痛み、湿疹などがある場合や症状が続く場合は、皮膚科専門医へご相談ください。