「肌のターンオーバーは28日周期」「年齢とともに遅くなる」と聞いたことはありませんか?
肌のターンオーバーとは、表皮の基底層で生まれた細胞が分化しながら肌表面へ移動し、最終的に角層から剥がれ落ちていく一連の更新過程のことです。
ovacoでは、肌の若々しさを考えるうえで、「約28日」というターンオーバーの周期をひとつの重要な基準として捉えています。
この記事では、ターンオーバーの仕組み、28日周期の考え方、年齢との関係、早すぎる・遅すぎる場合の肌状態、さらに細胞同士の「信号」や、肌老化と環境・生活習慣との関係について解説します。
肌の「ターンオーバー」とは
肌のターンオーバーとは、表皮の基底層で生まれた新しい細胞が、形や役割を変えながら肌表面へ移動し、最終的に角層から剥がれ落ちていく一連の流れです。
大きく分けると、次のように進みます。
1.基底層で新しい細胞が生まれる
2.細胞が分化しながら表皮の上へ移動する
3.角層を形成する
4.役割を終えた角質細胞が肌表面から剥がれ落ちる
つまり、ターンオーバーとは「古い角質が剥がれること」だけではなく、新しい細胞が生まれ、分化し、角層を形成し、最後に剥がれ落ちるまでを含めた表皮の更新過程を指します。

肌のターンオーバーはなぜ「28日」が重要?
肌の若さを考えるうえで、ovacoが重要視している数字のひとつが、ターンオーバーの「約28日周期」です。
赤ちゃんの肌がもちもち、すべすべとした印象を持つ理由はどこにあると思いますか?
この理由の1つとして、肌が活発に更新されていることが挙げられます。
ovacoでは、その若々しい肌の更新リズムを考えるうえで、約28日という周期を大切な目安として捉えています。
28日周期で考えると、1年間では約13回、肌の更新サイクルが繰り返される計算になります。
もちろん、すべての人・すべての部位が必ず28日で更新されるわけではありません。年齢や身体の部位、肌状態、外的環境などによって、ターンオーバーの周期には個人差があります。
ですがovacoでは、肌の若さを考えるうえで、ターンオーバーの「約28日」はひとつの重要な基準となる数字だと捉えています。
そして、この約28日の周期がどのような仕組みで保たれているのか、そのメカニズムに注目しながら商品開発を行っています。
年齢とともにターンオーバー周期はどう変わる?
肌のターンオーバーは、年齢にかかわらず同じ速度で続くわけではありません。
研究では、加齢に伴って表皮の細胞更新が遅くなる傾向が報告されています。若年成人と高齢者を比較した研究では、高齢者で角層の通過時間が長くなり、特に50歳以降では表皮細胞の更新速度の低下が大きくなる可能性が示されています。
美容分野では、年代別のターンオーバー周期の目安として、次のような数字が紹介されることがあります。
【年代別ターンオーバー周期の目安】
20代:約28日
30代:約35日
40代:約42日
ただし、年代別の数字は研究によって一律に定められたものではありません。「30歳なら必ず35日」「40歳なら必ず42日」という意味ではなく、測定方法や身体の部位、個人の肌状態などによっても結果は変わります。
研究から共通して読み取れるのは、若い頃に比べて、加齢とともに表皮の更新に時間がかかる傾向があるということです。

実年齢と「肌年齢」は同じではない
同じ年齢でも、肌の印象は人によって大きく異なります。
「本当にその年齢なの?」と驚くほど若々しく見える方がいる一方で、同じ実年齢でも肌状態には大きな差があります。
このように、実際の年齢とは別に、肌の状態や見た目の若々しさを表す言葉として「肌年齢」という表現が使われます。
肌年齢はターンオーバー周期だけで決まるものではありません。紫外線、乾燥、生活習慣、皮膚の構造など、さまざまな要素が関係します。
ovacoでは、実年齢だけを見て「年齢を重ねたから仕方がない」と考えるのではなく、今の肌がどのような状態で更新されているのかを見ることが大切だと考えています。
ターンオーバーが行われる「皮膚」と「表皮」の構造
ターンオーバーを理解するために、皮膚の構造を簡単に見てみましょう。
皮膚は大きく「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層からできています。このうち、ターンオーバーが行われるのが最も外側にある「表皮」です。

表皮は4つの層からできている
表皮は、内側から「基底層」「有棘層」「顆粒層」「角層」の4つの層に分かれています。
基底層では新しいケラチノサイト(角化細胞)が生まれ、細胞は有棘層、顆粒層へと移動しながら形や性質を変えていきます。そして最終的に角層を形成し、役割を終えると肌表面から剥がれ落ちます。
一番外側の角層は、外部刺激から肌を守り、肌内部から水分が過度に蒸発するのを防ぐバリアとして重要な役割を担っています。

ターンオーバーは「速ければ速いほどよい」わけではない
「28日周期が大切なら、もっと速くターンオーバーすればよいのでは?」と思うかもしれません。
しかし、ターンオーバーは速ければ速いほどよいものではありません。
必要以上に速くなると、本来なら時間をかけて成熟するはずの細胞が、十分に成熟しないまま角層まで押し上げられることになります。
すると、角層のバリア機能が十分に働きにくくなり、水分が逃げやすくなったり、外部からの刺激を受けやすくなったりして、乾燥や刺激感につながることがあります。
反対にターンオーバーが遅くなると、古い角質が肌表面にとどまりやすくなり、ごわつきや乾燥、くすんで見える状態などにつながります。
つまり重要なのは、単純にターンオーバーを速めることではありません。
細胞が必要な時間をかけて成熟し、若い肌の代表的な目安である約28日の健やかな更新リズムを保っていくこと。
これが、ovacoがターンオーバーを考えるうえで大切にしている考え方です。
ターンオーバーを支える細胞同士の「信号」
表皮の細胞は、それぞれが独立して働いているわけではありません。
細胞同士や周囲の組織からさまざまな情報を受け取りながら、細胞の増殖や分化、移動、角化などが調整されています。
ovacoでは、この仕組みをイメージしやすくするため、新しい細胞を生み出す側を「母細胞」、そこから生まれて表皮の上へ移動していく細胞を「娘細胞」と表現しています。
さらに、角層まで移動した娘細胞が剥がれ落ちる際に、母細胞へ「ママありがとう!私、剥がれるね!」と伝え、それを受け取った母細胞が「わかった!新しい細胞作るね!」と次の細胞を生み出していくイメージで説明しています。
これは、複雑な細胞間の情報伝達を理解しやすくするためのイメージ表現です。
実際の皮膚では、ひとつの信号だけでターンオーバーが制御されているわけではなく、多くの細胞や分子、周囲の組織環境が複雑に情報をやり取りしながら、細胞の増殖や分化、角化などを調整しています。

肌老化は「遺伝」だけで決まるものではない
ovacoでは、肌の老化や肌年齢は、遺伝だけで決まるものではないと考えています。
もちろん、生まれ持った遺伝的な要素がまったく関係しないという意味ではありません。
重要なのは、遺伝的背景が近くても、どのような環境で、どのような生活習慣を積み重ねてきたかによって、肌の老化の進み方や見た目年齢には違いが生まれるということです。
一卵性双生児でも見た目年齢に差が生まれる
この考え方を理解するうえで興味深いのが、一卵性双生児を対象にした研究です。
一卵性双生児は遺伝的背景が非常に近いため、遺伝以外の環境や生活習慣が老化にどのように関わるのかを調べる研究に用いられています。
186組の一卵性双生児を対象にした研究では、喫煙期間が長いことや紫外線への曝露が多いことなどが、より高い見た目年齢と関連していたことが報告されています。
また、デンマークの双子を対象にした研究では、見た目年齢のばらつきには遺伝以外の要因も関わり、喫煙や紫外線曝露などが顔の老化と関連していました。
つまり、同じ年齢、そして非常に近い遺伝的背景を持っていても、環境や習慣の積み重ねによって見た目の年齢には差が生まれるということです。
ovacoが考える「肌年齢」
ovacoでは、この考え方を肌年齢にもつなげて捉えています。
実年齢が同じでも、紫外線をどれだけ浴びてきたか、どのような生活習慣を続けてきたか、どのように肌をいたわってきたかによって、肌の状態は変わります。
だからこそ、肌年齢は遺伝や実年齢だけで一方的に決まるものではなく、環境や生活習慣も関わるというのがovacoの考え方です。
スキンケアだけでなく、紫外線対策、睡眠、食事、運動、喫煙の有無、ストレスとの向き合い方など、毎日の積み重ねも肌と無関係ではありません。
遺伝だけで肌年齢が決まるわけではないからこそ、今からどのように過ごすかにも意味があります。
ターンオーバーを考えるうえで大切なスキンケア
ターンオーバーを意識するからといって、角質を頻繁に落としたり、肌に強い刺激を与えたりする必要はありません。
毎日のスキンケアでは、肌を強くこすらずに洗うこと、適切に保湿すること、紫外線対策を行うこと、過度な角質ケアを繰り返さないことなど、基本的なお手入れを続けることが大切です。
ovacoでは、ターンオーバーを無理に速めるのではなく、肌本来の更新リズムを健やかに保つことを大切にしています。
ターンオーバーと「幹細胞」の関係
表皮が継続して更新されるためには、新しい細胞を生み出し続ける仕組みも欠かせません。
そこで関係してくるのが「幹細胞」です。
幹細胞には、自分と同じ性質を持つ細胞をつくる「自己複製能」と、異なる性質を持つ細胞へ変化する「分化能」があります。
幹細胞とは何か、種類や働き、美容との関係については、次の記事で詳しく解説しています。
まとめ
- 肌のターンオーバーとは、基底層で生まれた細胞が分化しながら角層へ移動し、最終的に剥がれ落ちていく一連の更新過程である。
- ovacoでは、若い肌の更新リズムを考えるうえで「約28日」を重要な基準のひとつとして捉えている。
- 年代別のターンオーバー日数は研究によって一律に定められているものではないが、加齢とともに表皮の更新速度が低下する傾向は研究でも報告されている。
- ターンオーバーは速ければよいのではなく、細胞が十分に成熟しながら健やかな周期で更新されることが重要である。
- 表皮の更新には、細胞同士や周囲の組織から伝えられるさまざまな「信号」が関係している。
- 肌老化や見た目年齢は遺伝だけで決まるものではなく、紫外線、喫煙などの環境・生活習慣も関係する。
- スキンケアだけでなく、毎日の環境や習慣まで含めて肌を考えることが大切である。
肌は、実年齢や遺伝だけで一方的に決まるものではありません。
約28日という若い肌の更新リズムに着目しながら、肌の仕組みを理解し、毎日の環境や習慣も含めて健やかな肌を目指していく。
それが、ovacoがターンオーバーと肌年齢を考えるうえで大切にしている考え方です。
参考文献
-
Grove GL, Kligman AM. Age-associated changes in human epidermal cell renewal. J Gerontol. 1983.
若年成人と高齢者の角層通過時間を比較し、加齢に伴う表皮細胞更新の低下を検討した研究。若年成人では角層通過時間が約20日、高齢者では10日以上延長し、50歳以降に更新速度の低下が大きくなる可能性が報告されています。 -
Skin senescence—from basic research to clinical practice.
皮膚老化に伴う表皮・真皮の変化や、ケラチノサイトの増殖・分化など、皮膚の老化メカニズムを整理したレビュー。 -
Guyuron B, Rowe DJ, Weinfeld AB, et al. Factors contributing to the facial aging of identical twins. Plast Reconstr Surg. 2009.
186組の一卵性双生児を対象に、喫煙、紫外線曝露などの環境・生活要因と見た目年齢、顔貌の老化との関連を検討した研究。 -
Rexbye H, Petersen I, Johansens M, et al. Influence of environmental factors on facial ageing. Age Ageing. 2006.
高齢双生児を対象に、遺伝以外の要因と見た目年齢との関連を検討した研究。喫煙や紫外線曝露などが顔の老化と関連することが報告されています。 -
Ichibori R, et al. Objective assessment of facial skin aging and the associated environmental factors in Japanese monozygotic twins. J Cosmet Dermatol. 2014.
日本人の一卵性双生児67組を対象に、シミ、シワ、毛穴、肌理などを客観的に評価し、環境要因と皮膚老化との関係を検討した研究。